一本足生活

アキレス腱の断裂から復活までの記録

一本足生活【41日目】

それは、数日前にさかのぼります。風呂に入っている時に、右足を洗っていると、足の甲から指の先まで「ピリッ」と痛みを感じました。もう一度足の甲を指で押さえると「ピリッ」となります。すぐ治るだろうと気にしていなかったのですが、定期検査の日もまだ痛みます。いつもの診察が終わると経過順調だったこともあり、和んだ雰囲気の中、先生と雑談をしていました。気軽に「ピリッ」となる出来事を先生に話してみたところ、先生の表情が変わりました。どうやら、これも怪我のひとつだったみたいです。

 

神経が圧迫されるとこういった症状になるらしく、ひどくなると甲を押さえなくても指の先が何も感じなくなってしまうようです。しかも、その状態がずっと続いてしまいまうということで、放っておくと厄介なことになってしまうかも知れませんでした。

 

特に骨などの固いものの上にある神経は圧迫されやすく、例えば、靴紐を固く結んでいてもこの症状は発生するみたいです。僕が痛いと言っていた場所も、骨が通っていた部分にあります。アキレスブーツは、足の甲も締め付けているので、足の甲の神経が圧迫されて痛みを起こしているのではないか、というのが先生の意見でした。なので、装具屋さんに装具の締め方などを見直してもらうように相談してみることになりました。

 

この日は、アキレスブーツの角度も調整してもらいます。装具屋さんが来ていたので、先ほどの先生の話を伝えてみて、装具屋さんの意見も聞いてみました。すると、アキレスブーツを履くと足の甲が痛くなるという話は、アキレスブーツを履いた他の人からもよく聞くとのことでした。アキレスブーツを履くとずっと足首が曲がった状態です。さらに、角度をつけているので、足の甲が張った状態になります。角度が急であるほど張るので、アキレスブーツを装着した初期段階に起こりやすい。これが原因ではないかと話してくれました。

 

この説明で僕は納得していたのですが、この話を少し離れた場所で聞いていた先生は「そうなの?」とあまり納得していません。装具の見直しが必要だという先生と装具の見直しは不要だという装具屋さん。結局、この時にはどちらが正しいのかは結論がでませんでした。

 

僕としては、先生と装具屋さんで意見が分かれることがあるんだと驚きました。良いように考えると患者さんのことを思って、お互い意見交換してくれているんだなと思えます。ただ、結論がでないとなると、患者さんはどうすればいいのかわかりません。

 

セカンドオピニオンが一般的になって、先生も患者に意見を押し付けない、患者側が決めなければならない時代になっています。今回のケースでも、先生と装具屋さん、どちらの意見に従って治療をしていくのかは、患者である僕が決めなければいけません。

 

今回は、僕も装具屋さんの言う通りアキレスブーツの角度に問題があったと思いました。そういったわけで、この日はブーツの角度を緩めるので、様子をみることにしました。

 

何かを決めなければいけないとき、情報を収集したり、取捨選択が必要になります。今回のケースですと、先生と装具屋さんの意見を集めて、装具屋さんの意見を拾って先生の意見を捨てる選択をしました。

 

僕はエンジニアの仕事柄、お客様にはデータを集めることが大事だと伝えています。それは、データを使うことで判断材料になるからです。

 

これはまさに、自分が普段から言っていることを、自分自身で経験する出来事になったかなと思いました。物事を決めるときには、いかに情報が大事になるか、改めて考えさせられました。

 

今回の出来事から、これまで以上に情報(データ)が大事であることを、お客様に伝えていこうと思います!